小豆島への移住は失敗しやすい?移住のメリットデメリット

移住を考えている人の多くは、希望として「田舎でのんびり」という生活を思い浮かべていることでしょう。
中でも、人気なのが「島ライフ」です。四方を海に囲まれた、島での生活はのんびり生活の最たるものと考えられています。

しかし実際には、物流の不便さや通信の問題、さらには台風などの被害なども考えなくてはいけません。今回は四国・香川県にある「小豆島」の移住について、メリットやデメリットを紹介していきます。

メリット

小豆島は瀬戸内海・播磨灘にある島で、小豆島町、土庄町の2町からなっており、人口は約2万8千人程度。瀬戸内海で最大の人口を有する島で、空路や本土からの橋は無く、船でしか渡れない島としては日本国内で最大の人口でもあります。

小豆島は気候は温暖で、日本の離島の中では台風による被害も少ないほうです。「天然の博物館」と呼ばれるほど、多くの生物が住む自然環境が残っている島でもあります。小豆島では、温暖な気候でゆっくりとした島暮らしができることが大きなメリットです。

海鮮や名物のそうめんなど食べ物が美味しい

小豆島は瀬戸内海・播磨灘に囲まれており、島の南側には池田湾・内海湾もあるため新鮮な海の幸が手軽に手に入ります。タイやカレイ、サワラといった新鮮な魚やサザエにアワビ、中海といった小豆島ならではの魚介類を手軽においしく食べられるのは島暮らしの醍醐味と言ってよいでしょう。

小豆島と言えば温暖な瀬戸内海式気候を活かしたオリーブやミカン、スモモなどの栽培が盛んです。中でもオリーブは小豆島の気候風土が温暖で雨の少なく、地中海によく似ていたことから生産が盛んになり「日本のオリーブ栽培発祥の地」として出荷量は日本全体の約97%を占めています。

香川県の県花にもオリーブが指定されており、現在は香川県全体で生産されるほどです。新鮮なしぼりたてのオリーブオイルを使った料理が楽しめるのも小豆島で暮らす利点です。そしてそうめんがおいしいことでも有名な小豆島。

小豆島でのそうめんがつくられる様になったのはおよそ400年前からで、小豆島は小麦の栽培に適した気候や瀬戸内海の塩、そうめん作りに必要なごま油が豊富にとれることから名産になりました。小豆島の手延べそうめんは、奈良県の「三輪そうめん」、兵庫県の「揖保乃糸」に並ぶ日本三大素麺の一つとして有名ですので、是非食べて見てほしい特産品です。

憧れの海が目の前の家に住める

小豆島は四方を海に囲まれた離島で、島をぐるっと一周しようと思ったら3時間はかかり意外と大きな島です。その分、海沿いの家も多く憧れの海が目の前の家に住むということも他の離島に比べれば可能性は高いです。

勿論、海の近くの家となると人気も高く見つけることも難しいですが、過去には海野近くの一軒家が家賃3万円で借りられたこともあります。また、海が見えるという事であれば高台の家なども候補としてあります。いずれにせよ、小豆島のメインロードはほとんどが海沿いなので普通に生活していても海を間近に感じる生活が出来ます。

そして小豆島にも不動産会社はありますが、ウェブサイト上で物件を常時更新している会社はなく、島外にいる場合にはなかなか最新情報を得られません。そこで自治体が運営している空き家バンクの活用がおススメです。アパートやコーポ等の集合住宅物件は、空き家バンクには掲載されないので自治体に確認してみると良いでしょう。またシェアハウスなどの紹介も空き家バンクではしてくれるので、気軽に連絡してみてはいかがでしょうか。

移住支援制度が充実している

小豆島は近年、人口が減少したことで「離島振興法」の指定を受けたこともあり、移住支援も充実しています。
住居に関しては、家賃補助制度として小豆島町・土庄町ともに補助があります。
「移住促進家賃等補助金」として住宅を賃貸した場合に礼金や仲介手数料など、入居時にかかる費用が最大6万円補助を受けることができます。

さらに両町ともにある空き家バンクを活用することで、住宅にかかるリフォームに対しての補助金もあります。
土庄町ではさらに「移住促進事業交付金」として1人5万円の引っ越し準備金も交付されます。
仕事に関しても補助は充実しています。

「東京圏Uターン移住支援事業補助金」として東京23区への通勤・在住者で小豆島にUターンした人に対して単身者には60万円、2人以上世帯には100万円が最大で交付されます。また小豆島で起業しようとしている人には「起業等スタートアップ支援補助金」として、補助率1/2で最大200万円が補助されます。

さらに小豆島で事業所を解説する際に空き家を使用した場合には補助率1/2で最大400万円の補助もありますし、テレワークを実施するためにサテライトオフィスを開設する際にも補助金が出ます。その他にも子育てに関しては「養育支援訪問事業」として子育てに対して不安を抱える家庭などに保育士が訪問してくれますし「高校生海外留学支援補助金」として海外の高等学校等への留学をする場合に一定の要件を満たせば、上限200万円の補助も受けられます。

デメリット

小豆島で憧れの島暮らしをするにあたって、デメリットもあります。島独自の文化や離島による不便さなど、豊かな自然環境で生活していく上で、避けては通れない問題があることも事実です。田舎ならではの虫や動物が多く、夜は暗くなり怖く感じる人もいます。また島の中では電車も通っていないので、車移動が必須になってきます。

島で気になるのは、医療設備ですが島内に「小豆島中央病院」があり、ある程度は安心できますが、大病をした際などに別の病院を選べる環境ではないのも事実です。ここでは、小豆島へ移住した際のデメリットを紹介していきます。

商業施設が限られている

小豆島に限らず、島暮らしをする方にとって買い物の不便さはどうしても避けては通れません。
小豆島では大型デパートなどは無いものの、地元に寄り添ったスーパーやドラッグストア、大手ディスカウントショップはあります。コンビニもありますが、どうしても島の中心部に集中しています。

また家電量販店や100円ショップも数は少ないですが、いくつかあります。商業施設が限られている為、欲しい商品が無い場合はネット注文となりますが離島の料金を請求されるので送料が割高になってしまうのも難点です。いずれにせよ小豆島での買い物事情は、本州の田舎とはまた違った課題があると言えます。

本島に職場や学校がある場合は大変

小豆島で気になるのは、本島への移動手段です。島には空港はなく、本島への橋もかかっていないためフェリー・高速艇が唯一の移動手段です。小豆島には、5つの港がありそれぞれ本州の神戸、岡山、姫路、日生や四国の高松に繋がっています。土庄港から高松港への移動が最も盛んで、1日あたり約60分のフェリーが15本と約35分の高速艇が16本と充実しています。

ただ、最終出航の時間も意外と早いのがネックで高松市に職場がある人が夜遅くまで仕事をするのは、難しいです。
また小豆島では、高校が香川県立小豆島中央高等学校のみですので、高松市の高校に進学した場合なども通学に船を使わざるを得ません。台風などで海が荒れた場合などは、どうしても通勤・通学ができない状況となるため、大変な面もあります。

ご近所付き合いなどの地域交流が盛ん

小豆島では、島特有の文化で、近所付き合いは深く濃いのが事実です。各地で秋祭りや虫送りなどといった昔からの行事が盛んな上に、各地域での交流が盛んです。また小豆島への移住者は多く、オープンな人が多いので地域を跨いだ付き合いも頻繁にあります。

移住後に人気のない場所で、気ままにゆっくりと島暮らしを考えている人にとっては、面喰ってしまう場面もあることでしょう。また小豆島は土庄町と小豆島町二つの自治体があり、それぞれに独自の文化もまだ残っており馴染むのに時間がかかる場合もありますので、注意が必要です。

小豆島への移住が失敗する理由

小豆島への移住で失敗してしまうケースには、一定の特徴があります。移住した後、生活していくという「リアリティ」を抱けなかった人が多いと思います。田舎への移住というだけでなく、島への移住はより閉鎖された地域で生活するということになります。小豆島でいかに自分が充実した生活が出来るかを考えてから行動しなかった場合、移住に失敗する事になります。ここではどの様な人が小豆島への移住を失敗してしまうかを紹介していきます。

実際に定住のイメージができていないまま引っ越した

まず、小豆島に「定住」するというイメージを持たないまま移住した場合は失敗してしまいます。
具体的なこととして「観光気分」での移住です。小豆島に観光で訪れた方が抱く「海があって食べ物がおいしいし、のどか」というキラキラした田舎のイメージで移住した場合、その裏にある島独自の物流問題や交通の不便さに対応できない場合もあります。移住相談会では、自治体が良い面だけでなくデメリットも教えてくれるので参加してみることをおススメします。

人付き合いがもともと上手くない

次に、小豆島に移住後に失敗するケースは地域のコミュニティに馴染めないパターンです。都会では隣に住んでいる人の顔も知らない状態でも、不自由なく暮らせていきます。しかし田舎、特に島での生活となると祭りや草むしりなど、地域の人と一緒に行動していく必要が出てきます。

自分に合ったコミュニティを選んで参加することも容易にできる都会とは違い、人が少ない田舎では限られた人の中で生活していく必要があるためある程度のご近所付き合いが必要となります。積極的な人付き合いが苦手な場合は、どうしても孤立してしまうことになります。移住後に問題が発生してしまった場合に、1人では解決できないことも多いので、人付き合いは小豆島では重要になってくるでしょう。

仕事を決めずに移住を決めた

小豆島に限らず、移住後に失敗する多くは仕事が決まっていない状態で移住した場合です。ある程度貯金があり、移住支援制度を利用しているので、大丈夫と思っていた場合であったとしても収入面の確保は重要です。小豆島では高齢化が進み、人手不足ではありますが都会ほど多くの職種はありません。

一方で島にはオリーブ公園や二十四の瞳映画村、寒霞渓ロープーウェイなど様々な観光スポットがあり宿泊施設も多くあるため、観光産業が盛んです。またオリーブなどの農業や漁業も盛んなので、都会では経験できない仕事も視野に入れて転職活動をした上で移住した方が無難です。

小豆島への移住を失敗しないために

小豆島への移住を失敗しないためには、どの様にすればよいのでしょうか。
まず大切なことは移住後の「生活」の基盤を整えておくことでしょう。
住む場所や周辺状況、自分がどの様にして収入を得ていくのかといった具合に、より具体的な将来図を描いておくと、移住後の現実とのギャップに悩み、苦しむこともないでしょう。
ここでは小豆島への移住に失敗しない方法をまとめて紹介していきます。

移住体験をして移住後のイメージをしておく

 
小豆島に実際に行ってみて移住を考える人がほとんどでしょう。
そこで、おススメなのは観光ではなく移住体験をしてから本格移住という流れです。
小豆島には、お試し住宅として小豆島町坂手地区に貸し切り一軒家タイプの施設が2棟と土庄町にマンションタイプのお部屋が2部屋あります。
移住前に長期滞在してみて小豆島の風土や環境が合っているのか?自分が今後、何十年も生活していくことが可能なのかを充分に考えてから、移住に踏み切ってみてはいかがでしょうか。

自治体の職業支援を利用して仕事を決める

移住後に仕事を探すと焦ってしまい自分の思い描いた仕事が出来ない場合がありますので、移住前の余裕のある段階で仕事を探しておくのが良いでしょう。そこで役に立つのが自治体の職業支援です。小豆島には求人情報誌がないため、ハローワーク土庄での求人情報が重要です。

このハローワーク土庄では職業訓練の相談・申込み、就職支援セミナーの受講などができるだけでなく「移住相談コーナー」として予約しておけばオンラインでの職業相談が可能です。移住前に事前に職業相談して、仕事を見つけておくことをおススメします。また島には光回線が通っているのでテレワークも可能な上に、テレワーク補助金もあります。小豆島の自治体に仕事の相談をした上で、今の仕事がテレワークではできないかなど、考えてみるのもいいかもしれません。

移住後の収支を計算しておく

小豆島への移住を考えた時に収入と支出の割合をあらかじめ確認しておくべきでしょう。
まず実際に移住した場合は、補助金はどの程度もらえるかを知っておくべきです。
特に注意が必要なのは「移住支援金」として東京23区に通勤・在住した人が移住した際にもらえる補助金が、小豆島ではあくまで島出身の「Uターン者」でなければもらえないのです。

「移住支援金」は移住後の地域によってもらえる条件が違ってきますので、あらかじめ確認しておくべきです。また、支出に関しては離島になるので引っ越し費用がどの程度かかるかも注意が必要です。通常の田舎への移住よりも、引っ越し費用が掛かる可能性が高いので多めに見積もっておくべきです。他にも車を持っていない場合の購入費用も計算しておくべきですし、島は下水が通っていないので浄化槽の設備費用が必要です。

さらに都市ガスも通っていないのでお風呂を沸かすのにプロパンガスや灯油ボイラーなどの費用も掛かります。
水道代は、都会に比べてやや高めな料金なのも知っておくべきです。
島暮らしでは、どの程度の費用が掛かるかを自治体の担当者やすでに小豆島に移住した方に話を聞くなどしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

小豆島は、温暖な気候で移住者に人気の地域です。その反面、島での暮らしは通常の田舎とはまた違った注意が必要です。充分な下調べをした上での移住で、よりよい島暮らしができることを願っています。