札幌移住で後悔してしまう理由

枝についた雪

爽やかな気候や広大な自然、豊かなグルメなどに惹かれ、北海道への移住を考える人もいるでしょう。特に札幌市は人口全国5位の政令指定都市であり、北海道の中でも有力な移住先候補に挙がるのではないでしょうか。しかし、十分な情報収集と心構えがなくては、場合によっては移住を後悔してしまうことになりかねません。具体的には、下記のような理由が挙げられます。

冬の寒さが予想以上だった

札幌=雪国というイメージは、多くの人がもっているでしょう。しかし実際に住んでみると、予想以上に冬の厳しさを感じたという人もいるようです。

実際のところ、札幌の冬の気候はどのようなものでしょうか。気象庁のデータによると、札幌市の12~2月の平均気温はマイナス2.3℃です。特に1月には最高気温すら0℃を下回る真冬日が続きます。また、降雪の深さは年間合計500cm近くに及び、200万人近くの人口を有する都市としては、世界的に見ても極めて異例の豪雪都市です。家や勤務先の敷地や駐車場、場合によっては生活道路なども、雪かきは必須になります。
https://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/nml_sfc_ym.php?prec_no=14&block_no=47412&year=&month=&day=&view=p1

光熱費がかかる

前項に述べたような冬の厳しさにも関わらず、多くの人が快適に生活できているのは、裏を返せばそれだけコストをかけて環境が維持されているということです。各家庭で気になるのは冬場の暖房費でしょう。暖房器具によっても異なりますが、月の費用にして数万円にのぼることが多いようです。ストーブによく使われる灯油は、原油価格の影響を受けて費用が高騰することもあります。

また、札幌市では行政による除雪にも膨大な費用がかけられています。大雪の年は市の財政を圧迫しがちで、市民の負担にもつながります。

住宅の費用が高い場合がある

地方移住の魅力のひとつに、都心よりも住宅費用を抑えられる点があるでしょう。札幌は都市の規模のわりには家賃が安いと言われます。しかし思ったよりも住宅費用がかかってしまうケースもあり、気をつけたいところです。

札幌市の土地価格はエリアによって大きく異なりますが総じて地価は上昇しています。札幌市の資料によると2021~2022年にかけて市内の住宅地価の上昇率は前年比9.3%にのぼりました。住宅の建設コストも、断熱性能や暖房設備などによっては高めになるかもしれません。

またマンション市場も、新築・中古とも高騰傾向が続いています。賃貸の場合も、断熱性、共用部の雪かき不要といった設備のよいマンションは当然ながら家賃が高めになります。
https://www.city.sapporo.jp/keikaku/chika/documents/r04tikakouzigaiyou.pdf

​​ゴミの分別が細かい

引越しで戸惑うことのひとつに、地域によってゴミの出し方が異なる点があるのではないでしょうか。札幌市の場合は、2009年から「燃やせるゴミ」「燃やせないゴミ」の排出が指定袋による有料制になりました。

札幌市はゴミと資源を概ね9種類に分別する必要があり、他自治体と比較しても分別が細かく大変という声が聞かれます。ガイドに従って分別し、出せるタイミングも種類によって異なるため、負担に感じる人も多いでしょう。資源以外のゴミ出しは有料のため、コストを抑えるにはゴミを減らす工夫も求められます。
https://www.city.sapporo.jp/seiso/gomi/gomiwake_guide/download.html

札幌移住で後悔しないために

札幌市の赤レンガ庁舎

札幌市への移住で後悔しないためには、どのような準備が必要でしょうか。気を付けるべき点を3つにまとめました。

収支計画をおこなっておく

地方に移住すると、首都圏と比べて住居費や食費が安くなるイメージですが、自動車関連費用や前述した光熱費のように支出が増える部分も考えられます。

また一般的に、地方での就業のほうが給与は低くなる傾向にあります。地方は生活コストが抑えられるからといって、必ずしも家計に余裕ができると楽観することはできません。もちろん、住居の取得や引越しなど、移住自体にかかる費用も発生します。これらの収支をしっかり洗い出し、試算しておきましょう。

雪と寒さは覚悟をしておく

断熱性の高い住居や暖房設備など、快適に暮らすための対策はあれど、積雪や寒さといった自然には抗えない部分も多々あります。なるべく具体的にイメージし、心構えが必要でしょう。お試し移住を冬の間に実施することもおすすめです。実際に暮らしていけそうか身をもって確かめることができ、居住エリア・物件の選定や必要な備えをするのに役立ちます。

自治体に相談する

地方移住では、事前の情報収集と準備が欠かせません。特に自治体の制度やサポートなど、公的情報は必ずチェックしておきたいところです。多くの場合、移住先自治体の相談窓口で、住まいや仕事、支援制度など、移住にともなうさまざまな事柄について総合的に相談できます。

札幌市の場合、北海道庁が運営する「北海道ふるさと移住定住推進センター」で移住相談を行っているほか、札幌市まちづくり政策局政策企画部企画課が移住相談を担当しています。
https://www.kuraso-hokkaido.com/contact/
https://www.city.sapporo.jp/kikaku/citypromote/move/

最後に札幌移住のメリットを紹介

札幌市の風景

無計画な移住は後悔のもとになりかねませんが、懸念点をクリアできれば札幌市への移住は大いに魅力ある選択肢と言えるでしょう。最後に札幌暮らしのメリットをいくつか紹介します。

生活コストが抑えられる

不動産情報サイトSUUMOによれば、札幌市の家賃相場は、もっとも高い中央区でもワンルーム3万円台から、3LDK・4Kでも10万円を切ります。東京23区の半額程度の住居費用は、生活コストを抑えるのに大きく寄与するでしょう。

また総務省統計局の家計調査(2人以上の世帯)によると、生鮮野菜や肉類、乳製品などの平均支出は、首都圏よりも低く抑えられています。北海道の新鮮な食材が安く手に入り、食卓が充実しそうですね。また上下水道代は政令指定都市のなかでも安いほうで、全国平均を下回ります。
https://suumo.jp/chintai/soba/hokkaido_/
https://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html

ご飯が美味しい

札幌のご飯の美味しさは折り紙つきと言えるでしょう。例えば海産物について言えば、リーズナブルな回転寿司やスーパーの刺身でも、驚くほど美味しいという声があります。少し足を伸ばせば港町の小樽でさらに海の幸を味わうこともできます。

乳製品も北海道を代表する食材のひとつで、チーズやスイーツなど名品に事欠きません。肉類や野菜といった日常的な食材も、美味しい北海道産のものが安く購入できるのは大きな魅力です。

また人口の多い大都市だけあって外食産業もさかんです。道産食材を使った本格的な飲食店から、ラーメンやスープカレーといったカジュアルなご当地グルメまで、食の楽しみがいろいろあるでしょう。

ウィンタースポーツが身近で楽しめる

札幌はウィンタースポーツが好きな人にとって魅力的なまちです。市内や近郊のスキー場に気軽に日帰りで行くことができ、広大なゲレンデでパウダースノーを楽しめます。公営のスケートリンクも市内に複数あります。

またスキー・スケートのほかにカーリングやアイスホッケーのクラブチームや少年団もあり、子どもが豊かなスポーツ経験ができる機会にも恵まれています。シニア世代には広い公園をコースにした「歩くスキー」も人気です。
札幌は冬季オリンピックが開催された都市でもあり、オリンピックミュージアムでウィンタースポーツについて学んだり、シミュレーターで体験したりするのもよいですね。

まとめ

札幌市は、人口195万人を超える大都市ながら、冬の厳しさにはそれなりに覚悟が必要な地域です。費用や体力面での負担は決して小さくないでしょう。ただしこれらのデメリットは、雪国ならではの魅力と表裏一体でもあります。十分な計画を立て、後悔のない移住を実現させましょう。