子ども連れで地方移住するメリット・デメリット!どんな家族が向いている?
更新日: Aug 5, 2020

子育て世代の移住が増加中!移住希望者の7割が子育て世代 ~20代 30代 40代 50代 60代 70代 2008年 4% 12% 14.4% 27.9% 35.1% 6.6% 2009年 5.5% 20.1% 14.6 […]
目次
子育て世代の移住が増加中!移住希望者の7割が子育て世代
~20代 | 30代 | 40代 | 50代 | 60代 | 70代 | |
---|---|---|---|---|---|---|
2008年 | 4% | 12% | 14.4% | 27.9% | 35.1% | 6.6% |
2009年 | 5.5% | 20.1% | 14.6% | 30% | 26.2% | 3.6% |
2010年 | 9.5% | 19% | 19% | 23.3% | 23.6% | 5.6% |
2011年 | 7.1% | 27.1% | 17.1% | 20.1% | 23.4% | 5.2% |
2012年 | 8.5% | 20.3% | 22.1% | 19.5% | 23.8% | 5.8% |
2013年 | 8.9% | 22.9% | 22.2% | 18.8% | 21.2% | 6% |
2014年 | 10.8% | 21.8% | 22.1% | 18.7% | 21.2% | 5.4% |
2015年 | 16.1% | 28.7% | 22.6% | 16.3% | 12.8% | 3.4% |
2016年 | 17.9% | 28% | 22.5% | 16% | 12% | 3.7% |
2017年 | 21.4% | 28.9% | 21.9% | 15.9% | 8.4% | 3.5% |
2018年 | 21.6% | 28.9% | 21.9% | 16.2% | 8.2% | 3.2% |
上の表は地方移住希望者の相談窓口「ふるさと回帰支援センター」への相談者の年代をまとめたものです。かつては、退職後の第二の人生の選択肢として地方移住を希望するシニア世代が多かったのですが、東日本大震災以降、「ふるさと回帰支援センター」の利用者が、若い世代へシフトしています。
2008年は50代以上が約7割でしたが、2018年は20~40代の相談者が7割を超えました。働きざかりの子育て世代がより良い環境を求めて、「子育てのために移住したい」というニーズも増えてきています。コロナウイルス流行以降、その傾向はさらに強まりそうです。
しかし、地方移住は大人の生活だけでなく、子どもの生活も一変するので、慎重に検討が必要です。地方移住をすると生活にどのような変化があるのでしょうか。子連れ移住のメリット・デメリットをご紹介します。
子ども連れで地方移住するメリット

では、子育て世代が地方移住するとどんなメリットがあるのか、早速みていきましょう。
移動がラク
都会と違って交通機関が発展していない田舎では、100%車移動となります。車内では子どもがおやつを食べたり、どんなに大きい声で騒いでも周りの迷惑になりませんし、歩くのを嫌がる子どもを抱っこして疲れる…といったこともありません。
子どもが2人以上の場合でも、ラクラク移動ができますよ。都会と異なり、スーパーや薬局、商業施設などの駐車場代も無料ですし、駐車場自体とても広いので、とめる場所に困ることもほとんどありません。
待機児童なし
都会よりも人口が少ないので、保育園に入園しやすく、待機児童問題はほとんど見受けられません。移住先によっては多少の待機児童がいる場合もありますが、都会とは比べ物にならない程、待機児童数数が少ないです。
これは共働き世帯にとっては助かりますね。ただし、待機児童問題は数年で様変わりする場合があるので、移住先の自治体に事前に確認するようにしましょう。
新鮮な食材を子供に食べさせられる
地方移住すると新鮮な野菜が手に入ります。近くに直売所などがあれば、旬な野菜や魚介類などが、都会よりも新鮮な状態で、しかも安価で手に入ります。ご近所に農家さんや漁師さんがいればおすそ分けをもらえることも。新鮮食材が食べられることで、子どもの好き嫌いがなくなるかもしれませんよ。
広い家で騒げる
都会に比べて地方は家賃が安いので、移住前と同じくらいの家賃で家の広さは倍以上、物件によっては家賃が半額になったのに広さが倍以上になる場合も!
隣の家との距離もじゅうぶんにあるので、子どもが騒いでも近所迷惑を気にすることなく生活できます。また、庭が広く、夏はビニールプールやBBQなどを楽しむこともできます。家の中でも遊びたい盛りの幼い子どもをかかえる世帯にとって、居住ストレスがないのはとても魅力的ですね。
関連記事:地方移住で家賃補助が受けられる自治体はどこ?都道府県別の家賃相場も紹介!
広い公園、山、川で遊び倒せる
程良く自然を満喫できるのも田舎暮らしの良いところです。都会では子どもの遊び場は近所の小さな公園しかなかったり、車もなく遠出が難しかったりして、子どもが自然の中で思いきり遊ぶことができる環境が少ないです。
しかし、移住後は自然がぐっと身近になり、山遊びに川遊びなど、都会ではできない遊び(冒険)が出来ます。自然に触れることで、子どもの五感が刺激され、発想力や危機回避能力などの発達も促します。
アレルギーや喘息などの症状が軽減されたという人も。また、都会で育った大人にとっても自然の中での遊びは楽しく、さまざまな発見があったりします。子どもとの大切な思い出も増えるでしょう。
どこでもすいている
都会よりも人口密度が少ないので、商業施設や公園など、子どもを連れて出掛けるところは比較的すいています。お祭りなどイベント事がある場合は県外からも人が来て賑わいますが、日常生活においては混雑することはほとんどないので、人混みのストレスなく過ごすことができます。
通勤時間が短く家族とたくさん過ごせる
田舎では、平均通勤時間は30分と短いです。都会では、朝は子どもが起きる前に家を出て、夜は子どもが寝てから帰宅する…という生活をしていた人も、朝はゆっくり家族と朝食をとることもできますし、仕事が終われば帰宅も早いので、平日も子どもと遊ぶことができるかもしれません。
もちろん、個人によって仕事の形態は異なりますので一概には言えませんが、移住後にこういったゆとりある生活を送っている人はたくさんいます。
関連記事:地方移住すれば通勤は楽になる?都道府県別の平均時間ランキングと通勤手段を紹介
子ども連れで地方移住するデメリット

地方移住という言葉からは、「都会の喧騒からはなれ、大自然の中でのびのびと暮らす」というストレスフリーな生活がイメージできますが、もちろんメリットだけではありません。子育て世代にとってはどんなデメリットがあるのでしょうか。
公共交通が不便
電車やバスがあれば、子ども1人でも移動することができますが、田舎はそうはいきません。駅もバス停も遠く徒歩では行けなかったり、本数が少ない等の理由で利用しづらいこともあるでしょう。
そのため、地方在住者は、子どもが自転車で移動するか、親が送迎するのが当たり前です。毎日の買い物ももちろん車なので、運転を苦痛に感じない人でないと田舎暮らしは難しいかもしれませんね。
教育の選択肢が少ない?
たくさんの公立・私立校から好きに学校を選べる都市部と比べて、地方は選択肢が少ないです。高校は数校しかなく、私立中学に至ってはほとんど無いのが現状です。習いごとも種類や教室数が少なく、少し物足りなく感じるかもしれません。
しかし逆に、「教育移住」を選択する子育て世帯も多いんです。「教育移住」とは、その名の通り、子どもの教育を目的として移住をすることです。
子どもをバイリンガルにしたい、子どもの視野を広くしたい等の理由で、海外に教育移住をする人も多いですが、国内のあらゆる学校の教育方針を調べ、独特の教育をしている学校に入学させるために地方移住を選択する家庭も近年増えてきています。
関連記事:子どもの学力が高い都道府県は?ランキングと理由を知りたい!
学校が遠い
自宅から小学校まで、都会では徒歩で数分で行ける距離がほとんどですが、田舎の場合は子どもの足で片道1時間かかることも珍しくありません。
高校生は基本的に自転車通学が主ですが、雨の日などはカッパを着て長距離自転車をこぐか、車で送り迎えが必要です。都会のように雨ならバスを利用するという選択肢はありません。私立高校によっては送迎バスがある場合もありますが、発着所が自宅から近いとは限らないのでご注意くださいね。
医療機関が少ない
移住先にもよりますが、医療機関が少ない地域もあります。緊急時を想定した場合、小児科、内科、産婦人科、歯科などが近くにあることが望ましいですが、総合病院がひとつでもあると安心ですよね。移住先選びの際は、病院の数と、自宅からの距離を忘れずにチェックしましょう。
関連記事:地方と都市の医療格差はどれくらいある?医師が多い都道府県ランキング
子供を遊ばせる施設が近くにない
美術館、水族館、遊園地などは少ないかもしれません。そのかわり自然で遊ぶことができます。虫や魚、動物、花や草木など、季節によって変わる自然を体験をすることで、大切なことをたくさん学ぶことができます。自然での遊びはお金がかからないのも嬉しいポイントですよね。ただし、子どもの洗濯物が増えるかもしれません(笑)。
賃金が安い
仕事にもよりますが、地方はお給料が安く、移住後は収入が落ちてしまうことがあります。特に、移住と同時に転職する場合は新人からスタートすることになるので、収入減少はやむを得ません。
地方は家賃が安いので、都会より少ない収入でも生活はできますが、車の維持費など今までかからなかった出費も増えるので、事前にしっかり家計のシミュレーションをしておくことが必要です。
関連記事:地方移住したいけれど仕事はあるの?給料がいい仕事は?有効求人倍率と給与水準から調査
子ども連れでの地方移住に向いている家族は?

地方移住はとても思い切った選択です。都会に暮らしているときとは生活環境が大きく異なります。では一体、どんな家族が地方移住に向いてるのでしょうか。
子どもと楽しみながらチャレンジできる家族
移住によるデメリットもチャレンジする気持ちで楽しめる人は、田舎暮らしに向いています。特に、都会と大きく異なるのは利便性と行動範囲かと思いますが、例えば、学校が遠いなどで子どもに苦労をかける部分さえも、子どもと一緒にチャレンジする気持ちで乗り越えられる人だと、田舎生活を楽しめるでしょう。
デメリットよりメリットに目を向けられる家族
デメリットにぶつかったときに、親子一緒に「メリットもあるね」と切り替えられる人は理想的です。例えば、「スーパーも遠いし、電車やバスもなくて不便」と考えるのではなく、「車でどこにでも行ける」「時間を気にせず自分のペースで動ける」などと、ポジティブに考えることがポイントです。
人とのつながりを楽しめる家族
田舎の人間関係はとても密度が濃く、隣に住む人の顔すらわからないような都会とは感覚が異なります。スーパーなどでも顔見知りによく会いますし、農作物のおすそ分けを頂ける機会も多く、会えば子どもにお菓子をくれるご近所さんもいます。
親も子も、自らすすんでご近所の人たちにご挨拶をしたり、お話ししたりすることができれば、きっとすぐに馴染めますよ。水路や道路の維持など、その土地のルールを教えてもらったり、祭事などの行事の付き合いも欠かせないので大変に感じることもありますが、普段からの深い付き合いがあってこそ、いざという時にお互い頼ることができるのです。
自然が好きな家族
田舎の良いところは、なんといっても自然が豊かなところです。キャンプをしたり、川や山で遊ぶのが好きな家族であれば、ほぼ問題ないでしょう。しかし、キャンプと実際に住むのとでは状況は異なります。
キャンプであれば数日間ですが、移住はずっと自然と共存するのです。例えば、自然にはトカゲやヘビも生息しているので庭でみかけることもありますし、家の中にまで虫が入ってくることもよくあります。虫や爬虫類が苦手だと大変かもしれません。
子どもが家の仕事を手伝える家族
家も庭も大きいと、草むしり、雪かきなど、家の仕事が多くなります。家の仕事を生活の一部として考え、子どもが手伝ってくれるのが理想的です。一緒に作業を楽しめると、親も子も家の仕事をストレスに感じないでしょう。
まとめ

子どもを連れての地方移住は、最初は大きな変化の連続で、疲れてしまうこともあるでしょう。しかし、前向きに子育てを楽しもうと考えられれば、大きな壁もきっと家族一丸となって乗り越えられるはずです。
子どもが幸せだと親も幸せですし、逆に、親が幸せだと子どもも幸せなんですよ。移住先は子どもと一緒に足を運んで下見をして、時間をかけて選びたいですね。