石垣島の現実|移住のメリットデメリット

石垣島は、沖縄県の八重山列島にある島で、平均気温も高くシュノーケリングの聖地でもあり、沖縄県の県庁所在地の那覇市からは南西に410km離れており、より濃い島暮らしができる地域です。そのため、観光地としてだけでなく移住希望地としても人気があります。海に囲まれてのんびりとした島暮らしができる石垣島での生活は、きっと夢の様だと考える方も多いことでしょう。

しかし、現実的には、メリットもあればデメリットもあります。今回は石垣島に移住を考える人が後悔しない様に、費用面や補助制度など詳しく紹介していきます。

メリット

石垣島に移住することで得られるメリットは一体何なのでしょうか。まず挙げられるのが、のんびりとした南国生活が出来るということです。石垣島は、真冬でも25度以上の気温を維持しており年中薄着でも問題ない気候です。ダイビングやシュノーケリングをする人にとっては聖地とも言われており、1年を通して多くのダイバーが訪れる場所です。スクーバダイビング専門誌「マリンダイビング」の「国内ダイビングエリア」部門で読者投票で20年以上1位に選出されるほどの人気です。

また、市街から5キロも離れると古来より残る自然環境が現れます。島の東部にある宮良川河口のマングローブや、北部の米原のヤエヤマヤシ群落は天然記念物に指定されています。2007年8月には石垣島の面積の約3割が国立公園として指定され、本土では決して見ることのできない原生林や広大な海、幻想的な鍾乳洞といった大自然の息吹を感じることができます。

いわゆる島時間も沖縄本島よりも一層濃く、のんびりとした時間の中で見る青く透き通った海は最高の癒しです。観光地として成熟しているので、島にはコンビニも多くドン・キホーテもあり、オシャレなカフェも充実しています。他の離島に比べれば物価も高くはないので安心できるのと、空港もあり移動も楽です。その一方で島の車線は一車線で電車も無く、のんびりとした生活が出来るので、都会の喧騒を離れてのんびり暮らしたい方にはもってこいの地域です。

デメリット

石垣島での移住生活は大きなメリットがある反面、デメリットもあります。沖縄県全体で見れば、移住後3年以内に沖縄を離れる人が8割以上とも言われています。どの様な問題があるのかを紹介していきます。

まずは引っ越しの費用が異常に高いということです。本土から引っ越しを行う場合は、ほとんどが船便による「コンテナ引っ越し」になります。東京から2〜3人の家族で石垣島に引っ越しを行う場合は、コンテナの輸送代だけで約30〜40万円かかってしまいます。荷物が多い場合は、コンテナサイズもさらにあがるので、さらに驚く費用になることもあります。

そして離島ならではのデメリットとしては、物価が高いという事があります。他の離島に比べると石垣島の物価は高くはないものの、それでも本土に比べると高いものがあります。それは卵や乳製品、魚介類など「新鮮」な状態で本土から送られる物です。卵10個入りパックは常時200円超えするほどで、輸送費がかかる分どうしても物価は高くなってしまいます。

また海に囲まれている関係上、どうしても湿気は多くなります。夏場の不快指数は高くなりますし、カビが発生しやすいのも難点です。そして沖縄県は毎年台風被害が多いことで有名ですが、石垣島も同様です。その威力は本土のモノとはくらべものにならないほどで、命の危険すら感じます。台風が接近し飛行機や船便が欠航すると、本土への行き来もできないですし、物流が滞るのでスーパー等の食材が数日間品薄になる場合もあります。
さらに沖縄県全体で、給与水準が低いという問題点もあります。

この様に石垣島への移住ではメリットだけでなく、デメリットもあるということを理解しておくべきでしょう。

石垣島への移住は失敗が多い?移住の現実を紹介

石垣島は観光地としても栄えており、観光で訪れた際に見た光景が忘れられないという経験から移住する人も少なくありません。憧れからすぐに移住を決断した人も多くは理想と現実のギャップに悩むことでしょう。

「本土の社会に見切りをつけ南国の楽園にあこがれだけでなんとなく移住する」
「楽しそうだから移住してみよう。沖縄だからなんくるないさー」

などといった勢いでの移住は大きな失敗に繋がります。実際には石垣島には、島特有の文化があるので馴染めなかった場合は思い描いた生活をしていくのは困難です。ここでは石垣島に移住した後に出くわす現実問題を紹介して、いかにして対処すべきかを紹介していきます。

食べ物などが独特で合わない場合がある

石垣島に移住した後に気になるのが、独特な食文化です。本土の田舎地域でも独特な食文化はあります。東北地方では西日本に比べて料理の塩分濃度が高いことは有名ですし、長野県では古くから昆虫食文化が根付いています。
しかし沖縄での食文化の独自性は、本土のそれとはまた大きく違っています。

琉球王朝時代から続く独特な食文化には、同じ国内とは思えない違和感があるのも事実です。勿論、現代では日本国内に沖縄料理を出す飲食店も増え、ラフテーやゴーヤチャンプルなど、メジャーになった沖縄料理もありますが、現地で食べる沖縄料理には驚かされることも多々あります。石垣島の食べ物で、独特な味がするものを紹介していきます。

現実

石垣島の食文化で、多くの人が違和感を感じる食べ物があります。まず最初に取り上げられるのが「ヤギ汁」です。ヤギ汁はその名の通り、山羊のスープでなんといっても獣臭くそして匂いが強烈です。人によっては「動物園のにおい」と表現する人もいるほどです。

臭い消しでヨモギや生姜を入れて臭いを消しますが、それでも独特な匂いは健在で、沖縄県民でさえ苦手な人がいます。そして次に苦手な人が多いのが豆腐ようです。豆腐ようは島豆腐を米麹や泡盛などで発酵・熟成させた発酵食品で、琉球王朝時代から続く伝統料理です。味はチーズに近く泡盛のお共にピッタリですが、匂いが強烈で沖縄県民でも嫌いな人が多いほどです。

他にも沖縄で獲れる魚も独特なものが多く、見た目が苦手と言う人もいます。そして大きな問題となるのが「お酒」です。沖縄県民は泡盛を中心としたお酒が大好きな人が多く、移住してきた人との交流でお酒を伴う場合があります。お酒が苦手な人にとっては、憂鬱になることもあるでしょう。いずれにせよ本土と違い、石垣島特有の食文化に悩まされる可能性もあるということを理解しておきましょう。

対策

石垣島の独特な料理に対して、好みがあるのは事実です。そこで、重要になってくるのが「慣れ」です。
いきなりヤギ汁や豆腐ようなどのクセの強い料理からではなく、ゴーヤチャンプルーやラフテーなど馴染みのある食べ物からスタートしてみてはいかがでしょうか。また、お酒が苦手な人はその旨を酒席の席できちんと伝えるべきです。お酒を共にしなくても石垣島の人はきっと、あなたを受け入れてくれます。

そして沖縄料理で使われる食材は、その土地で生きていくために必要な栄養を多く持っているということを知っておいてください。特に地元の野菜は暑い石垣島ライフを乗り切るために必要な栄養素がタップリです。ゴーヤにはビタミンCを豊富に含んでいて、疲労回復や風邪の予防、肌荒れなどに効果大です。

また胃腸の粘膜を保護して食欲を増進する効果があるので、夏バテ対策にピッタリです。ナーベーラーという名前で親しまれているヘチマは水分が多く、ビタミンやミネラルを豊富に含んでいます。味噌煮や炒め物、汁物にもピッタリの野菜で、汗を多くかく季節には最適です。この様に、石垣島で生きていくために必要な栄養素がある野菜を中心に摂取し、独特な島の味付けには少しずつ慣れていくという手順を踏んだ方が良いでしょう。

家のメンテナンスが大変

石垣島に移住した後に気になるのが、家のメンテナンスです。島暮らしをするなら一軒家と考える人も多いことでしょう。そしてせっかく購入したり、賃貸で住み始めた一軒家がわずか1年足らずで急激に劣化することも。
ここでは、石垣島の家について注意点を紹介していきます。

現実

石垣島は沖縄県の中でも高温多湿で、亜熱帯海洋性気候や熱帯雨林気候に属しています。その為、毎年の様に大型台風もやって来て2015年には最大風速80メートルの大型台風も接近してきています。台風が直撃すると、マンションでも地震の様な揺れに襲われることもあり家の屋根が吹き飛ぶことも。

さらに高温多湿で白アリなどの害虫被害も多くあります。その様な特異な気候であることから、沖縄県のほとんどの住宅がコンクリート住宅です。この様な住宅事情は本土での生活しか経験の無い方にとっては、今まで経験したことのない家の劣化問題に直面することでしょう。まずコンクリート住宅なので、外壁が熱収縮でひび割れしたり大雨による変色など劣化していき、内部に水が入ってくることもあります。

また、沖縄県全体で屋上のある家が多く、屋上の防水材の剥がれやひび割れ、排水溝の破損などによる雨漏りが発生することもあります。この様な家の雨漏りや水漏れ、そして海からの塩害もある石垣島では本土に比べても家のメンテナンスに多くの費用が掛かる可能性もあります。

対策

石垣島での家にかかるメンテナンス問題には、いくつかの対策があります。まずは、移住後の家を決める際に出来るだけ築年の浅い家を選ぶべきです。住む前から劣化している家となると、初年度からメンテナンスが多く掛かってしまいますし、気付かないうちに雨漏りがしている場合もあります。出来る限り新築に近い家を選択する事をお勧めします。

次に、メンテナンスの回数をできる限り減らせる工法を用いることをおススメします。石垣島のコンクリート住宅で外壁塗装を行う際には「遮熱塗料」を使用するのが良いでしょう。遮熱塗料は、太陽光を効果的に反射して、塗装表面の温度上昇を抑える機能を持つ塗料ですので、1年を通して暑い日が続く石垣島には有効な対処法です。そして大雨で外壁が汚れやすい石垣島には、雨水によって汚れを洗い流す「セリフクリーニング機能」を持つ塗料を使ってみるのも良いでしょう。

そして屋上のある家の場合は雨漏りを防ぐため継ぎ目の無い防水層をつくる「ウレタン塗膜防水」など、防水対策を万全にしくことが大切です。

とはいえ、外壁塗装は200㎡あたり80万円から150万円程度必要となり、メンテナンス費だけでもばかになりません。そういった面からも近年では、沖縄県でも木造住宅を建てる人が増えてきています。高温多湿な石垣島でも快適な湿気の溜まりを防ぐ「外壁通気工法」や板底を厚くして暴風に耐える「根太レス工法」など新工法を用いた住宅であれば、木造住宅でも快適に過ごせます。そもそも木材は加湿・除湿機能を果たす資材ですし、石垣島の気候にあった木材を選べばメンテナンスの機会もコンクリート住宅に比べれば格段に減らせます。

移住後、一軒家に住みたい方はリフォームや新築などで、上記の方法を考慮してみてはいかがでしょうか。

初めは馴染めなくて孤独に感じてしまうことも

石垣島移住後に、独特の島文化に馴染めないということもあります。そもそも沖縄県自体が、本土とは違い琉球王朝が元となっているので文化の成り立ちに大きな違いがあります。気候も違う上に、島文化ならではの仲間意識も移住者にとっては大きな問題になってくるでしょう。ここでは移住後に直面する人間関係について考えてみたいと思います。

現実

石垣島に移住したときに感じるのが、独特な風習と人間関係が近いということです。親戚がすぐそばに住んでいるということが珍しくない石垣島では、飲み会の様な集まりがしょっちゅうあります。その為、親戚や近所の人たちとの絆が強く、移住者の様に違う土地から来た人が馴染みにくいという面もあります。
また沖縄県独特の方言もあるので、会話に入れないといった問題も出てきます。自分の話や発言が出来ないことが大きなストレスになることも。

そして「うちなータイム」などに代表される沖縄県ならではの文化だけでなく、石垣島などの離島には「シマタイム」といった文化もあります。同じ沖縄でも、それぞれの文化があるので、頭で分かっていても中々、馴染むことが出来ないのが現実です。

対策

石垣島に移住後に人間関係に悩んでしまう方は、まず自分のペースを崩さないことが大切です。移住後は、どうしても早く周囲に溶け込もうと無理をしてしまう場合があります。最初は気にしなかったことでも、少しずつストレスとなって蓄積されてしまうと後々で大爆発することがあります。沖縄の方言に「てーげー」という適当を意味する言葉があります。その言葉の通り、きっちりしていなくても大丈夫なんです。「あの人は、ああいう人」ということを近所の人に理解してもらうことが大事でしょう。

そして、もし石垣島で友達が欲しければ、飲み屋などに繰り出してみてはいかがでしょうか。石垣島には「石垣島ビレッジ」という複合飲食施設があります。中にはコの字カウンターで、1人で来るお客さんが多い店もあります。そういった場所で、まずは「飲み友達」を作り、少しずつ石垣島の文化を教えてもらえば馴染んでいくことでしょう。

また、石垣島には同様に本土から移住してきた方も多くいます。そういった移住者の方を訪ねていくのも孤独に陥らない重要な対策といえます。

移住後の収支を計算できていなかった

石垣島に移住した後に、諦めて本土に帰ってしまう人の多くはお金の問題に直面した人です。移住して、のんびりと暮らしたいという方が、思ったよりも収入と支出のバランスが取れない場合が多いです。ここでは、移住後に直面するお金の問題の現実と対策を紹介していきます。

現実

石垣島に移住した後に問題となってくるのが収入の低さです。沖縄の平均年収は336万円で東京の平均年収である438万円とは100万円以上の差があります。その反面、家賃は安く、酒税も沖縄は安いことで有名です。しかし移住に人気のある石垣島では、海沿いなどの人気物件は高額になりますし中々、空きもでません。さらに酒税も2032年5月に軽減措置が廃止となることから、本土と同様の税率になります。

そして石垣島のある沖縄県では、移住支援金の交付は行っていません。東京23区で働いていたり、住んでいた方にとっては移住支援金を引っ越し費用や経費に当てようと考えている方も多いことでしょう。ただ移住地として人気のある沖縄県では、この制度の対象外なので注意が必要です。

また石垣島の空き家に移住した方などは、メンテナンスの頻度に驚かされるでしょう。台風や塩害など、本土では考えられないほどのスピードで家が劣化していく場合もあります。
また、石垣島で買えない商品をネットショッピング注文した際に掛かる送料も、大きな負担になるでしょう。
この様に、本土ではなかなか分からない収入の低さと予想外の支出を考えておくことが大切です。

対策

石垣島に移住した後に、重くのしかかる収支の問題にはどの様な対策を立てればよいでしょうか。まず、収入が減ってしまうということを考慮して多めの予算、つまり貯金をしておくべきです。次に収入の確保として副業やリモートワークでの現在の仕事の継続など、本土の給与水準を確保することも考えてみて下さい。

また支出に関しては、いきなり一軒家ではなく生活が安定するまではアパートなどの賃貸生活をするなど、家のメンテナンスなどの費用を極力かけない方法をとるべきです。とはいってもせっかく石垣島に移住したら、のんびりとした島ライフを行いたいものです。そこで、移住後に少しでも生活が安定する様に行政の支援がどの程度受けられるかを知っておくべきです。次項では、移住時に受けられる石垣島の支援制度を紹介していきます。

石垣島で受けられる移住支援制度について

石垣島で受けられる移住支援制度は、本土の支援制度とは少し変わってきます。移住地として人気のある沖縄県では、移住支援金の交付が無いなど厳しい面もあります。その一方で、離島ならではの支援もあるので有効に活用することが、石垣島での安定した生活には欠かせません。

​​子育て支援

石垣島には、子育て支援として「児童手当」があります。0歳から3歳までは1人当たり1万5千円が支給され、3歳から小学校修了までは第一子と第二子は1万円が、第三子以降は1万5千円の支給がありますし、中学生以上は一律1万円が支給されます。ただ、支給されるには所得制限があります。所得制限は子供の人数によって変わりますし、もし所得が制限以上の場合でも児童1人当たり5千円の支給があります。また、独身で石垣島に移住した方に対して石垣市が中心となって婚活イベントも開催しています。

離島住民カード

石垣島の生活で便利なのが「沖縄県離島住民割引運賃カード」です。
これは、石垣島から沖縄本島や宮古島、与那国島に行く際にかかる航空運賃を離島住民運賃で購入することができるカードです。格安の料金で他の沖縄の島めぐりが出来ると好評です。石垣市に住民票を移している方限定で、航空運賃が約4割軽減される優れもの。石垣島に移住した際には、必ず発行しておきたいカードです。

空きバンク

石垣島は移住者に人気の地域ですので、一軒家に住みたいと思っても条件にあった物件がすぐに見つかるとは限りません。そこで「空き家バンク」の活用をおすすめします。石垣市の「空き家バンク」は石垣市移住・定住支援ポータルサイトに掲載されている物件を移住希望者に紹介してくれます。

現在では、物件情報の閲覧が登録なしで可能です。そして「空き家バンク」を活用すると、通常の不動産物件での引っ越しとは違い補助金が交付される場合があります。石垣市に家を持っている人を対象に「石垣市空き家バンク補助金」として、最大50万円ほど家の改修費用が補助されます。

そのため、少し経年劣化のある空き家でもリフォームして住むことが可能です。空き家バンクで物件を探せるのは石垣市に居住していない人だけでなく、石垣市外から転居してきて3年以内の人が対象です。つまり、一旦は石垣市のアパートなどに住み、3年以内に自分にあった一軒家を「空き家バンク」で探すという事も可能です。移住を考える人にとって、空き家バンクの活用は重要です。

移住体験

石垣島に移住を考えた時に、観光以外で訪れてみることが大切です。街の雰囲気や気候など実際に住んでみると、観光では分からない発見もあるので移住前に数日間でも生活してみることをおススメします。

そこで活用してほしいのが「移住体験モニターツアー」です。石垣島では、人材が不足する農業やマリン業、福祉関連などの業務を移住希望者が体験して、実際の生活イメージを持ってもらう取り組みを行っています。このツアーでは、移住前に石垣島に訪れることが出来るだけでなく、移住後の速やかな職業確保につながると高い評価を得ています。開催の予定など、石垣市に問い合わせてみてはいかがでしょうか。

まとめ

いかがだったでしょうか。石垣島への移住は、天国の様な南国生活を連想させますが、実際には準備が必要です。島の文化や経済状況なども含め、観光ではなく定住の為の計画が重要です。
しっかりとした計画があれば、幸せな石垣島ライフも夢ではありません。