地方移住先で中古住宅を購入したい! 自治体の購入支援制度や中古住宅の探し方を紹介
更新日: Jun 10, 2020

地方移住先によっては中古住宅の支援制度があるのはご存知でしょうか?中古物件は新築物件より安い価格で購入できますが、自治体の支援制度を利用すれば金銭的なサポートが受けられます。支援制度が利用できる自治体や中古物件の探し方をご紹介します。
目次
移住先での中古住宅の購入で受けられる支援制度とは?

地方移住先で、中古住宅を購入したい人もいるでしょう。地方で中古住宅を購入する際、自治体から金銭的な支援を受けることができる場合があります。中古住宅購入の支援制度では、
- 中古住宅の購入による奨励金の給付
- 住宅取得費の助成
- リフォームの工事費用の助成
などの支援が受けられます。また、自治体によっては子育て世帯には、さらに補助金が数十万円加算される場合もあります。 中古住宅を購入する際は、物件の価格だけでなく、さまざまな諸費用がかかります。例えば、住宅の価格により「売買契約書は1万円〜6万円」「金銭消費賃借契約書は2万円〜10万円」がかかります。
他にも、「仲介手数料」「融資事務手数料(ローン借入時)」などが必要です。地方移住で中古住宅を購入する際、少しでも経済的な負担を減らすために、自治体からサポートが受けられるのは助かりますよね。中古住宅購入の支援制度内容やサポートが受けられる金額は自治体によって異なります。事前に調べておくといいでしょう。
中古住宅と空き家の違いは?

中古住宅は、過去に人が住んでいた住宅のことです。空き家は「以前から誰も住んでいない物件」や「昔、誰かが住んでいたがそのまま放置されている物件」のことを指します。空き家は、長い間、人が住んでいないマイナスな理由があることも多く、中古住宅より安く購入できる傾向にあります。
空き家の情報は不動産情報サイトや地域の不動産会社のHPに詳細が載っていない場合も多く、直接現地に見に行かなければいけません。また、空き家を購入する際は所有者と直接契約しなければいけないなどのデメリットもあります。中古住宅は仲介業者がいるので、不動産会社で物件の情報を詳しく見ることができたり、手続きなども任せることができます。
移住希望先で中古住宅はどうやって探せばいい?

中古住宅を探す際は、「地域の不動産会社」か「大手の不動産情報サイト」を利用します。地域の不動産会社は、昔からその地域に根付いているため地域性に詳しい点が大手不動産会社との違いです。移住先が決まっている場合は、地域の不動産会社で中古物件を紹介してもらえるといいでしょう。田舎暮らしの物件に特化したサイトもあるので、活用してみてくださいね。
大手の不動産情報サイトはスーモ、ホームズなど、CMでもよく見かけるサービスです。大手の不動産情報サイトは、中古物件の情報を多く持っているため、一度にいろいろな種類の物件を知ることができます。移住先が決まっていない場合は、幅広い地域や種類の中古物件から条件にあったものを探すといいですね。
魅力的な中古住宅に関する支援制度がある自治体はどこ?

2020年5月時点で実施している中古住宅に関する支援制度の中で、魅力的なものを詳しくご紹介します。
※下記情報は2020年5月時点での調査内容になります。各自治体の支援制度が変更や廃止になっている可能性もありますので、詳細は自治体HPなどでご確認ください。
持ち家取得奨励事業(北海道芦別市)
北海道芦別市の持ち家取得奨励事業では、対象の中古住宅を購入した場合、上限50万円(住宅の取得費100分の10以内の額)の奨励金を受け取ることができます。また、子育て世帯の場合、さらに20万円が加算され、支給額の上限は70万円となります。 対象条件は、
- 市民税を滞納していないこと
- 今まで奨励金を受けていないこと
- 火災などの損害保険を適用して住居取得をしていないこと
などです。 持ち家取得奨励事業|北海道芦別市公式HP
住宅取得費用助成制度(北海道栗山町)
北海道栗山町の住宅取得費用助成制度は、栗山町以外の地域から栗山町に地方移住する人が対象です。また、40歳未満であること、もしくは中学生以下の子供と同居している場合、上限30万円で中古住宅取得費の助成を受けることができます。 対象条件は、上記に加え、
- 購入した中古住宅に5年以上住む見込みがあること
- 栗山町に転入した日から前3年に栗山町に住んでいないこと
- 税金の滞納がないこと
などです。また、栗山町では住宅取得費用助成制度の他に、中古住宅リフォーム助成制度があります。リフォームの工事費が50万円を超える場合、上限30万円の助成が受けらる制度です。住宅取得費用助成制度と中古住宅リフォーム助成制度を利用すれば最大60万円の助成が受けられることになります。
移住定住者住宅支援費補助金(山形県酒田市)
山形県酒田市の移住定住者住宅支援費補助金では、中古住宅の購入と改修費用を助成してもらうことができます。助成が受けられる金額は、購入にかかった費用の10分の1(上限25万円、中学生以下の子供がいる世帯には上限50万円)、改修にかかった費用の10分の1(上限20万円、中学生以下の子供がいる世帯には上限40万円)です。中古住宅の購入と改修費用を合計すると最大90万円までの補助が受けられることになります。 対象条件は、
- 酒田市に5年間定住する予定があり中古住宅を購入すること
- 2017年4月1日以降に酒田市に転入し住民票登録をすること
- 契約先が2親等以内の親族でないこと
- 実績報告を令和3年3月31日までに提出できること
- 重複して利用できない補助を受けていないこと
などです。 移住定住者住宅支援費補助金|山形県酒田市公式HP
転入者マイホーム取得奨励金(千葉県匝瑳市)
千葉県匝瑳市(そうさし)の転入者マイホーム取得奨励金では、中古物件を購入した場合20万円の奨励金を受け取ることができます。また、40歳未満の夫婦が転入した場合は、奨励金に20万円が加算され、義務教育終了前(中学生まで)の子供がいる場合は1人につき5万円(最大20万円)が加算されます。 対象条件は、
- 2016年4月1日から令和3年3月31日までに匝瑳市に移住すること
- 転入前の3年間に匝瑳市に住民登録していないこと
- 匝瑳市に10年以上住む意思があること
- 市民税などの滞納がないこと
- 転入者マイホーム取得奨励金を今まで受け取ったことがないこと
- 自治体が定めた奨励金交付対象住宅に住んでいること
などです。
定住促進マイホーム取得補助金(新潟県小千谷市)
新潟県小千谷市(おぢやし)の住促進マイホーム取得補助金は、中古住宅を購入した場合に補助金が受け取ることができる制度です。支給額は、対象者の条件によって異なります。例えば、小千谷市に移住した70歳未満の転入者で5年以上定住の意思がある場合は30万円、50歳未満の人または18歳以下の子供がいる人には20万円が支給されます。全ての条件を満たしていれば、最大50万円の補助金を受け取ることができますよ。補助金を受け取ることができる人の条件は、上記に加え、市税を滞納していないことです。
若年層定住住宅取得助成事業(石川県加賀市)
石川県加賀市の若年層定住住宅取得助成事業では、45歳未満で中古住宅を購入する人の住宅取得費を助成してもらえます。中古住宅を購入する場合、基本額として10万円が支給され、さらに条件によって加算される仕組みです。
例えば、18歳未満の子供1人につき10万円、購入する住宅を市内の業者が施工した場合10万円、補助を受ける人が35歳未満の場合10万円、加賀市で定められた居住誘導区域に居住する場合10万円が加算されます。全ての条件を満たす場合、最大50万円の補助金を受け取ることができます。
購入する中古住宅は、「加賀市空き家バンク」に登録されている住宅であること、工事完了から3年を経過していないもの、などの条件があるので注意が必要です。 対象者は、
- 住宅の購入に係る住宅ローンの借入金や債務を有する人
- 契約締結日に45歳未満の人
- 購入した住宅に5年以上住む意思がある人
- 市民税を滞納していない人
などです。
ふるさとお帰り支援事業(岐阜県中津川市)
岐阜県中津川市のふるさとお帰り支援事業では、中津川市に移住する人が中古住宅を購入する場合、40万円の補助金を受け取ることができます。 対象者は、
- 2016年4月1日以降に中津川市に転入した人
- 中古住宅を取得した年度の4月1日時点で50歳未満の人
- 中津川市に5年以上定住する意思のある人
などです。
中古住宅購入助成金(島根県川本町)
島根県川本町の中古住宅購入助成金は、川本町内に中古住宅を購入する人を対象に、中古住宅購入費を最大350万円が助成してもらえる制度です。内訳は、購入費用の20分の1(上限50万円)に加算額の「世帯主が45歳未満の世帯に25万円」「中学生以下の子供がいる場合1人あたり25万円」となります。また、住宅購入後6ヶ月以内に改修した場合、改修にかかった費用の2分の1の額(上限250万円)を支給してもらえます。
枕崎市移住者住宅確保支援補助金(鹿児島県枕崎市)
鹿児島県枕崎市の枕崎市移住者住宅確保支援補助金では、200万円以上の中古住宅を購入する際に50万円の補助金を受け取ることができます。また中古住宅を購入しリフォームを行った場合は、上限70万円の補助金が支給されます。 対象者は、
- 2019年4月1日以降に枕崎市に転入し、今まで一度も枕崎市に住民登録をしたことがない人
- 購入した住宅に5年以上定住する人
- 居住地の自治公民館に加入する人
などです。
中古住宅の購入で支援制度が受けられる自治体まとめ
北海道・東北地方
都道府県 | 市区町村 |
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北海道 | 芦別市、池田町、岩内町、上砂川町、栗山町、栗山町、砂川市、美唄市、幕別町、三笠市、河西郡芽室町、妹背牛町 |
青森県 | 十和田市 |
山形県 | 酒田市、遊佐町 |
関東地方
都道府県 | 市区町村 |
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茨城県 | 大洗町、高萩市、筑西市、筑西市、取手市 |
栃木県 | 小山市 |
群馬県 | 館林市 |
埼玉県 | 秩父郡小鹿野町、魚津市 |
千葉県 | 佐倉市、匝瑳市 |
中部地方
都道府県 | 市区町村 |
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新潟県 | 小千谷市 |
富山県 | 高岡市 |
石川県 | 穴水町、加賀市 |
近畿地方
都道府県 | 市区町村 |
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三重県 | 亀山市 |
大阪府 | 泉佐野市 |
兵庫県 | 市川町 |
中国・四国地方
都道府県 | 市区町村 |
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島根県 | 川本町 |
岡山県 | 笠岡市 |
広島県 | 福山市 |
山口県 | 宇部市、長門市 |
高知県 | 津野町 |
九州地方
都道府県 | 市区町村 |
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福岡県 | 福智町、八女市 |
長崎県 | 雲仙市 |
宮崎県 | 国富町、西都市、延岡市 |
まとめ

地方移住先で中古住宅を購入する際は、自治体から金銭的なサポートが受けられることがわかりましたね。年齢や子供の有無でも支給額が異なるので、移住先が決まっている人も決まっていない人も、自治体でどのような支援が受けられるかを調べておくといいでしょう。