ダウンシフトって何?ゆとりある働き方で人生を楽しむ選択をしませんか?
更新日: Jul 14, 2020

会社でガムシャラに働き続けることに疲れていませんか?今、「ダウンシフト」という生き方が改めて注目されています。豊かさを収入や出世に求めない人生の具体例や、向いている人、失敗しないために考えておきたいことを紹介します。
目次
生活のペースを落として、ゆとりある人生にダウンシフトしませんか?

今の生活で無理をしていませんか?毎日、朝から晩まで働いていると、家族と過ごす時間や自分の時間は満足に取れません。しかし、安定した生活を送るために毎日働き続けなければ…という人がほとんどでしょう。しかし、働きづめで心や体を壊してしまう人も少なくありません。
そこで、今回は生活のペースを減速して、ゆとりのある人生にシフトする「ダウンシフト」という生き方を紹介します。具体例なども合わせて紹介するので、是非参考にしてくださいね。
ダウンシフトとは?

生活のペースを減速して、ゆとりのある人生にシフトするのがダウンシフトです。ダウンシフトを理解する助けになるキーワードは
- ミニマム主義
- 半農半X
- 横出世
の3つです。この3つのキーワードに共通することは基本的に会社組織から脱することになります。働き方をペースダウンし、収入が減っても収入内で好きなことができると充実した人生を楽しめるかもしれません。それでは、ダウンシフトを知る上で重要な3つのキーワードを詳しく解説します。
ダウンシフトを知るためのキーワード1:ミニマム主義
ダウンシフトをするならまずはミニマム主義の考え方を知っておきましょう。昔からある「足るを知る」という言葉のように、生活に必要最低限のお金がどのぐらいかを知っておくことが大切です。
ミニマム主義は必要最小限の物に囲まれて暮らす「ミニマリスト」に通じる部分があり、あればあるだけ良いという欲望やお金を稼ぐことに注目せず、幸せな生活を送るために必要なことを考えます。欲望ばかりにとらわれず、自分の生活に本当に必要なものを見極めましょう。
今の生活から家族と過ごす時間の確保や健康を維持するためには、働き方を見直したり、やらなくていいことを削ったりするといいでしょう。ダウンシフトを行うならミニマム主義を意識し、まずは自分にとっての本当の幸せが何かを考えてみてください。
ダウンシフトを知るためのキーワード2:半農半X
半農半Xとは自分や家族が食べる分の食料を自分たちで自給自足して、残りの時間は自分の好きなことややりたい仕事をするというライフスタイルのことです。
半農半Xの「X」に当たる部分は人それぞれで、農業生活をしながらNPOで活動をする人なら「半農半NPO」、文章を書くことが好きなら「半農半ライター」といった形になります。
自給自足の生活をすることで食費を下げられるため、今の仕事を辞めて収入が下がっても、充実した生活が送れるのです。農業をしながら自分を大切にし好きな仕事をすることで、心も豊かになるでしょう。
関連記事:地方で半農半Xを実践!半農半Xのメリット・デメリット、始め方は?
ダウンシフトを知るためのキーワード3:横出世
横出世とは会社の中での一般的な出世ではなく、友人や趣味、副業、地域活動や社会貢献活動などの会社外の横のつながりを広めていくことです。
会社組織での出世に興味を持たないため、フリーランランサーに通じる部分もあります。会社外でのつながりを広げると活躍の場も広がり、会社外で自分の存在価値を見つけられるでしょう。生きる上で会社内での仕事だけが重要なものではありません。
横出世を目指すことで、上司からの評価や同僚との出世争いによるストレスを抱えることも少なくなります。会社での縦出世や人間関係に疲れを感じている人は横出世に注目して、会社外での活動の幅を増やしてみると良いでしょう。
ダウンシフトで増えるもの・減るもの

今後の人生を会社員として働き続けるのは嫌だと思ったり、今の生活がしんどいと感じるなら、無理をせずにダウンシフトという生き方を選んでみませんか?まずはダウンシフトを行うことで、増えるもの・減るものにはどのようなものがあるのかを見ていきましょう。
ダウンシフトで減るもの
ダウンシフトで減るものは
- 収入
- 生活レベル
- 労働時間
- 消費活動
の4つです。ダウンシフトでは無理に働かず、ゆとりのある生活を楽しみます。このため正社員で働いている人がダウンシフトすることで、収入は減少するでしょう。それに伴い、生活レベルが低下する可能性もあります。
ここで指す生活レベルの低下とは贅沢品の購入ができなくなったり、家賃を抑えたり、生活費を下げなけれないけなくなるということです。
一方で労働時間も減るため、時間を好きなことややりたいことに使えます。さらに本当に必要なものだけを求めて生活を送るため、お金を使う消費活動も減るでしょう。
ダウンシフトで増えるもの
ダウンシフトで増えるものは
- 自由な時間
- 幸福感
の2つです。ダウンシフトをすると収入や生活レベルが減りますが、労働時間が減って自由な時間が増えます。自由な時間で好きなことをして、生活を充実させると、幸福感もアップ。家族と過ごす時間や自分の時間が増えて、ストレスも大幅に減らせるでしょう。
生活レベルが高い=幸せではありません。生活レベルが低下しても、自分が満足に生活をすることができれば、それは幸福と言えるのです。
ダウンシフターの具体例

これまでダウンシフトについて解説してきましたが、実際にダウンシフトをした人(ダウンシフター)はどのような暮らしを楽しんでいるのでしょうか?ダウンシフトについて書かれている著書『減速して自由に生きるダウンシフターズ』の中でダウンシフトの具体例が紹介されています。
- 地方に移住して夫婦で半農半“木工職人”
- 半農半“パン屋”
- 半農半“豆腐屋”
- 半農半“NPO”
- 結婚後、循環型農業を目指す農家カップル
- 妻と2人の子どもと離島移住。灸師になった男性
- 都市と地方を繋ぐプロデューサーを目指す新婚女性
- 障がい者でも安心して立ち寄れる飲食店を開いた元介護士
- 野菜の魅力を伝えたくてキッチンカーを始めた湘南ガール
- 希望に合わせてデザイン調整ができる手作りアクセサリー屋さんを開いた女性
- 人と地球を元気にすることを使命に情報発信会社を興したシャイな男性
- 自然派志向のフリーライターになった旅好きの女性
- ITデザイン会社にいたが、体を動かし、直接コミュニケーションできるアートを模索して、住宅街にお洒落な靴・鞄の修理屋さんを開いた男性
- 20代で隠居し年90万円で生活
- 京大卒でニート生活
- エコツアーを引率するインタープリターになった元広告代理店勤務の女性
- 地域貢献ビジネスを興す人に融資するNPOバンクを立ち上げた三児の母
- 社会に本当に必要とされる会社を増やし、調和の上に成り立つ社会に貢献するという目的で小さな投資信託会社を興した元外資系投信会社副社長の男性
上記にあるようにダウンシフターは多種多様で、ゆとりのある生活をしながら、自分の本当にやりたいことを叶えられる生き方です。
ダウンシフトに向いている人

ダウンシフトの具体例を見ると、ダウンシフターには移住や起業など、思い切った行動をしている人が多くいます。現在会社員で安定した収入がある人であれば、ダウンシフトをするのに不安を抱える人もいるでしょう。ダウンシフトに向いている人はどのような人でしょうか。
チャレンジ精神旺盛で、失敗を恐れない人
移住や起業は生活面や経済面で不安に感じて、やりたいと思っても簡単に行動を起こすことは難しいです。しかし、行動しないと人生を豊かにするのは難しいかもしれません。
チャレンジ精神旺盛で失敗を恐れない人はダウンシフトに向いている人と言えます。一度きりの人生を楽しく充実させて幸福感を得るためには、チャレンジすることも大切なのです。
死ぬまでに必ず成し遂げたい大きな志や夢がある人
多くの人が大小問わず夢を持っているでしょう。その中でも死ぬまでに必ず成し遂げたい大きな志や夢がある人は、ダウンシフトに向いています。
死ぬまでに必ず成し遂げたいという大きな志や夢は自分の行動によって叶えられるかもしれません。自分の夢を叶えることができたときには、「あのとき行動して本当によかった」と思えるでしょう。
失敗してどん底に落ちても、乗り越えられる自信がある人
ダウンシフトをするとなると、ライフスタイルが大きく変わる可能性があります。成功して自分の希望通りの生活を送ることができると良いですが、残念ながら必ず成功するという保証はありません。ダウンシフトに失敗してどん底に落ちる可能性もあります。
しかし、失敗してどん底に落ちても、乗り越えられる自信がある人は、ダウンシフトをしても良いでしょう。失敗してもまたやり直せば良いと思える人は、失敗を1つの経験として今後の人生に活かせるようになります。
収入が少なくなっても、身近な生活から幸せを感じられる人
ダウンシフトをすることで収入が少なくなってしまうかもしれません。たとえ収入が少なくなったとしても、身近な生活から幸せを感じられる人はダウンシフトに向いています。お金よりも家族や友人と過ごす時間や、何かに没頭する時間が大切と思えるかどうかを考えてみましょう。
ダウンシフトで失敗しないために考えておきたいこと

ダウンシフトは決して楽な道ではありません。特に移住を伴うダウンシフトは拙速な考えで選ぶべき道ではないので注意が必要です。個人事業や起業は、労働負荷としても経済的にも、ダウンシフトどころかむしろ負荷になることもありえます。
資金繰りや雑務に追われたり、収入の不安も感じるでしょう。失敗を恐れないチャレンジ精神は素敵ですが、ダウンシフトを実際にするときは、仕事も住まいも断捨離する前に一度立ち止まって考えてみてください。
思い切ったダウンシフトではなく、ゆるやかなダウンシフトがあっても良いのです。自分に合った選択肢がないか慎重に考えてみましょう。
ダウンシフト前に考えたいこと1:会社内で異動を志願
今いる会社の部署での仕事がうまくいかなかったり、楽しくないと思うなら、会社内で自分がもっと輝ける部署がないかを考えてみましょう。会社内で異動ができるのであれば、職場の環境を変えるだけで、ダウンシフトをしながらやりたい仕事ができるかもしれません。
ダウンシフト前に考えたいこと2:会社での出世を断る
仕事は嫌いじゃないけれど、会社で出世をして責任だけ増えていくのは嫌だと思う人もいますよね。出世はこれまで頑張って働いてきた自分への評価でもありますが、出世をすると責任がプラスされて仕事の量が増えることもあります。
出世をすることにメリットを感じないのなら、会社での出世を断りましょう。会社外で自分がしたいことができなくなってしまうと、出世をしても生活面でストレスになる可能性があります。出世の話が来たときは、家庭や自分の活動に影響がないかを考えて慎重に判断してみてください。
ダウンシフト前に考えたいこと3:転職する
会社員の場合、毎日の通勤や残業の時間が負担という人も多いです。もし、通勤や残業の時間が負担なら、思い切って転職をしてみませんか?
自分の経験やスキルをそのまま活かせる業界なら、転職活動も有利に進められます。自宅からの距離や勤務形態、残業時間などの細かい情報も入念に調べながら転職活動をしてみると良いでしょう。
ダウンシフト前に考えたいこと4:移住せずに起業する
ダウンシフトで地方に移住し、起業した人もいますが、地方移住が必ずしも必要とは限りません。自分のやりたいことが地方でないとできないのかどうかを考えてみましょう。
地方でなくてもできるかもしれないという場合は、移住せずに起業をする選択肢があります。移住と起業には費用がかかるため、移住して起業をするのか移住せずに起業をするのか、どちらのほうが経済的な負担が少ないかも考えてみると良いですよ。
ダウンシフト前に考えたいこと5:移住せずにフリーランスになる
移住をしてのんびりと生活をするのに憧れを感じるかもしれませんが、会社組織が窮屈なだけなら、移住せずにフリーランスになるのも良いでしょう。
仕事も住まいも一度に変えてしまうと、ギャップが激しくなってしまって、心の負担になる可能性があります。都市部でフリーランスとして成功してから、移住をすることも十分可能です。
まとめ

ダウンシフトは自分でできる働き方改革で、「人生の豊かさ」を改めて考えたときの選択肢です。今の生活に不満やしんどさを感じるなら、まずは他人と自分を比較するのをやめることから始めてみてください。豊かさの指標を世間ではなく自分で決めるのが、ダウンシフトにおいて重要なことです。