移住経験者が語る!田舎暮らしの甘くない現実

移住経験者が語る!田舎暮らしの甘くない現実

移住した後に、理想の田舎暮らしができると考えている人も多いことでしょう。しかし実際には移住後に多くの問題に直面することでしょう。
ここでは移住経験者から見た移住後の問題について紹介していきます。

サラリーマン時代と比べて収入が激減

移住後に最も悩む問題が収入減です。
田舎での初任給は都会のそれと比べると、劇的に下がります。中でも首都圏の企業で勤めていた人が田舎に移住してきて同じ様な企業で働きだすと、給料の低さに愕然としますし、中には半分以下の収入になってしまう場合もあります。

なぜ田舎の給料は低いのかというと、いくつかの理由があります。
まず他の企業でも同様の金額なので無理して給料を上げる必要性がないということです。
次に企業の規模が都会と田舎では大きく違うということも挙げられます。人口が少ないため、需要も少なく売り上げも都会ほどではないという事から、殆どの会社が中小企業、あるいは零細企業となっているのが現状です。

その為、田舎に移住して同じ職種に転職しても収入が激減します。さらに農業などの第1次産業に転職した際にも初年度の収入は減ってしまいますし、安定も無くなります。この様な収入の減少は移住の大きな妨げになっています。

予想以上に生活費がかかる

田舎暮らしをしていれば、野菜作りをして自給自足ができるしおすそ分けももらえるので生活費がかからないと思っている人も多くいるでしょう。しかし実際には田舎でも結構な額の生活費がかかります。
まず移動手段として車社会なので車の維持費がかかります。原油高騰によりガソリン代は結構な出費になりますが、田舎なのでガソリンスタンドが遠い場合もあります。
さらに自動車税やタイヤなどの消耗品費、車検など1台の車を維持していくだけで結構な費用が掛かります。
野菜作りをしようと思ったら、野菜の苗や肥料、農機具も必要になってきます。おすそ分けしてもらったらお返しも考えておいた方がよいでしょう。

この様に田舎でも少なからず生活費は掛かってきます。移住後に収入が減ってしまう中で意外と掛かる費用もネックになってくるでしょう。

格安で選んだ空き家が住めないレベル

空き家への転居移住にも落とし穴が待っています。
現在、多くの自治体で空き家バンクなどがあり、空き家に転居する際には改修されていたり修繕費に補助が付くなど、お得に一軒家に住むことが可能になっています。

しかし気を付けたいのは、どんなに回収されていても古民家であるということです。空き家を自治体が改修する際に費用面から水回りや床のみが改修されている家も少なくありません。

一見、見た目的には綺麗になっており住みやすいかと思いますが、いたるところにガタが来ている場合があります。まず窓や壁などが古いままだと断熱性が乏しく、夏は暑く冬は寒い家になってしまいます。

そして屋根の修繕がおこなわれていない場合は雨漏りも心配ですし、天井などにネズミが住んでいる場合もあるので注意が必要です。その他にも庭の草が生い茂っていたり、排水が間に合わず水浸しになってしまう場合もあります。この様に安いという理由だけで空き家に住むと後で大きな問題になります。

最低でも一度、現地に足を運んで隅々までチェックすることが必要です。また住んだ後にDIYをしようと考えている場合は、本当にDIYをする余裕があるかを考えておくことも重要ではないでしょうか。

車社会の田舎は交通面でも不便

田舎での生活において、車は欠かせません。なぜならば田舎では公共交通機関が都会ほど発展してはいないからです。
田舎で電車を待つと1時間に1本来ればよい方で、時には2時間以上待たなくてはならないこともあります。加えて駅があるのはまだ良い地域です。

バスのみが運行している自治体も多く、1車両で運行しているので、当然本数も少なく2〜3時間に1本あれば良い方という場所もあります。ただ田舎に行くとコミュニティバスが運行している場合があるので町内での移動であればコミュニティバスを使うのも一つの手段です。

その他にも豪雪地帯では道路が通行止めになったり電車が運行しない場合もあるので、田舎に移住した際には移動手段をいかに確保するかが重要になってくると思われます。

虫の多さに耐えられなかった

田舎特有の問題として虫の多さが移住後の問題になる場合もあります。都会では虫が多くて嫌になるという事はまずありません。しかし田舎に行くと、世の中にはこんなに虫がいるのかと驚くことでしょう。
特に夏場のシーズンは虫が活性化し時には被害が出ることもあります。外に出れば蚊やアブなどに悩まされますし、家の中ではクモなどの虫に遭遇します。
古民家など家の構造によっては屋内にも虫が入ってきます。寝ている時の蚊ほど悩ましいものはありません。

さらに害虫となるとムカデなどが挙げられます。ムカデが苦手な人も多いと思いますが、見た目だけでなく刺されると腫れ痛みを伴うこともあるので注意が必要です。
そして厄介なのは羽虫です。夏の雨が降る前などに多く発生しますが、小さい体で小さな隙間からでも家の中に入ってきます。さらに大群でいるので夏の夜にひたすら駆除することもあります。

そして苦手な人が意外と多いのが「セミ」です。通常は問題ないのですが、ひっくり返って死んでいると思い近づくと急に「ババババー」と飛んでいくので、かなりビックリします。この様に田舎には多くの虫が生息しているので虫が苦手という人は田舎暮らしが難しくなってくるでしょう。

地元住民に馴染めなかった

移住後にも人間関係に悩まされる人は多くいます。その最たるものが地元住民との関係です。
移住した先の地元住民に馴染めない場合は、そこでの生活が楽しくありません。そうするとどんどん孤立していって移住したこと自体を後悔することになっていきます。

田舎特有の昔からのコミュニティは、都会のそれに比べて濃いと言われておりご近所付き合いも頻繁にあります。その上、移住前の事を色々と聞いてくる人もいますし、余計なおせっかいをする人もいます。田舎には都会と違い我を出す人が多いので余計に煩わしく感じることでしょう。

都会と比べて娯楽が少なすぎる

移住した最初の頃は全てがめずらしかったですが、日が経つにつれて気になってくるのが娯楽の少なさです。まずアミューズメント施設はないものだと思ってください。よくてバッティングセンターです。

さらに映画館やデパートなど都会では当たり前にあった施設も、車で移動しなくては行けません。居酒屋も田舎にはほとんどなく、あっても閉店時間が夜の8時などはざらです。

この様に、田舎ではなかなか娯楽が無いので、パチンコか釣りを趣味にする人が多いです。しかし自然が多いので自然を活用したアクティビティは充実しているところも多いですが、田舎になり過ぎると自然が当たり前にあり、観光客も来ないのでレジャー施設があるところも少ないです。

この様に田舎では娯楽が少なく退屈に感じてしまい、移住前の生活に戻っていく人もいるのが現実です。

豪雪地帯だからネットで頼んだ荷物が届かない

意外と気になるのが、荷物の遅延です。今ではどんなに田舎でもネットで必要なものがすぐに届きます。しかし豪雪地帯となるとネット注文でも思う様にはいきません。

田舎だと大雪によって荷物の遅延が起きやすくなるのは当たり前で、多くの人が冬場のネット注文に余裕を持っています。しかし豪雪地帯になると、そもそも道が通行止めとなり世の中と断絶されることがあります。

そうなるとネットで頼んだ荷物が届かなくなってしまい、最悪は再配達扱いで送り先に逆走される場合などもあります。大雪以外では、台風などによる土砂災害で道路が通行止めになった場合もこの様な状態になるので注意が必要ですし、島暮らしをしている場合は船が欠航となってしまいネットで注文した品が届かない場合もあります。
いずれにせよ田舎でも便利なネット注文には田舎特有の弱点があることを認識しておくべきでしょう。

美しい自然環境も毎日住めば飽きる

移住する前に現地を訪れて「なんて美しい景色だ」と興奮して移住を決意した人もいることでしょう。しかしどんなに美しい景色でも見慣れてしまうという事をあらかじめ考えておくべきです。

例えば山間の絶景な景色のある地域は、移動交通がとても不便だという事を認識しておくとよいでしょう。綺麗な海があるという事は塩害も考えられます。
島での暮らしは美しい自然環境の中で豊かな暮らしが出来ますが、その分不便でもあります。どんなにきれいな自然環境であっても見慣れれば日常ですので、生活環境のチェックも忘れない様にしてください。

「田舎暮らしは甘くない」高知市のPR動画が話題

「田舎暮らしは甘くない」高知市のPR動画が話題

移住して田舎暮らしを夢見る人に冷水を浴びせる様なPR動画が話題になっています。それが高知市の移住PR動画「田舎暮らしは甘くない」です。この作品には移住後に必ず生じるといってよい「移住者」と「在住者」にズレが描かれています。

「ぐろ~かるCM大賞2020」を受賞した話題の動画

高知市の移住PR動画「田舎暮らしは甘くない」は2020年度の「ぐろ~かるPR動画大賞」に輝きました。テレビCMの戦略立案やコンサルティングを行う株式会社テムズが運営する「ぐろ~かるCM研究所」においてマーケティング戦略において優れたローカルCM・地方PR動画の中から優れた作品を選出する大会です。

2020年は6回目で、世間にも浸透してきたこともありノミネートされたCMおよびPR動画は105素材にも及び、その中からの大賞受賞は大きな話題となりました。授賞理由としては移住者と在住者の価値観のズレを「お互いが宇宙人に見える」という設定に置換した的確で秀逸なアイデアが高く評価されたことが挙げられています。

移住の置いてのシビアな面を宇宙人というインパクトとユーモラスな表現を用いて見る人に適格に伝えたことも高評価の要因と言えるでしょう。

地方移住者の6組のうち1組は移住先を離れている

この「田舎暮らしは甘くないで描かれているのは、移住してきた人から見た在住者と在住者から見た移住者が互いの事を「宇宙人」に見えているという点は、ユーモラスに表現されていますが、リアリティもあります。移住してきた人は移住先に夢をもってやってきますが、在住者はそんな移住者の高揚とした思いに冷ややかな目を向けます。

東京などの都会から田舎にやってきた人に対して在住者は「何か訳があるのでは?」と勘ぐってしまいますし、移住者は在住者の良く分からない風習や習慣に戸惑ってしまいます。

その為、移住地を離れてしまう移住者が6組に1組の割合でいます。この動画を見るとお互いの事をけん制し合っていることが良く分かり思いのズレが見て取れます。

そして「田舎暮らしは甘くない」ということがよりリアルに打ち出されているのです。

移住のミスマッチには「二段階移住」が有効

移住後のミスマッチに対して高知県が提唱しているのが「二段階移住」です。これは移住を考える人に対して高知県の中でも比較的都市部の高知市に移住・滞在することを1ステップ目にして、そこを拠点に高知県を巡り自分に合った場所を見つけ、安心して最終的な移住を行うという2ステップで完成する移住作戦です。

都会からいきなり田舎へ移住することに不安を感じる人に対してかなり有効な手法だと言えます。この手法を元に高知県と移住雑誌「TURNS」の共同企画で移住ツアーが組まれるなど多角的な展開も見せています。

移住を2段階で完結させる手法は他の自治体でも流用可能な良い施策だと思います。

しかし「田舎暮らしは甘くない」を公開後はSNSを中心に様々な意見が飛び交ってもいます。「二段階移住だけじゃミスマッチはなくならない」や「ネガティブキャンペーンみたい」といった声もありますし「自分たちは変わらないの?と思ったけど、二段階移住でフォローする姿勢は良いと思った」といった意見もありました。

移住後のリアルを考える切っ掛けにもなった作品は、話題だけでなく多くの事を学ばせてくれました。

移住前に準備しておきたい5つの事

移住前に準備しておきたい5つの事

移住後の生活では多くの問題点が出てくることを紹介しましたが、事前準備で解決できることもあります。ここでは移住前にやっておきたいことを5つ紹介していきます。

運転免許証は必ず取っておこう

まず田舎暮らしで必要になってくるのが移動手段です。ですので必ず運転免許は取得しておきましょう。
移住後に運転免許を取得しようにも、教習所に通うこと自体が難しい地域もあります。移住した後にすぐに動くことが出来ることは、その後の生活がかなり楽になるので、必須事項と言っても過言ではありません。

仮に運転免許を持っていなくて移住を考えている場合などは、合宿免許がおススメです。合宿免許であれば、移住前に免許を取得できますしその間の生活の心配もありません。

都会の家から田舎に移住する前に合宿などで最低でも普通車を運転できる様になってから移住する事が重要です。

昔ながらの風習が根強い村や集落は避ける

移住後に昔ながらの風習が残っている村や集落は絶対に避けるべきです。先祖代々の付き合いなどが残っている村や集落が日本にはまだあります。信じられないかもしれませんが、先祖代々その村に住んでいる者にしか家や土地を売らない地域も残っているのです。

そんな村に移住したら、かなりの制約が掛かる上に祭りや集りなどに強制的に参加させられる上に、なぜか説教をされる羽目になってしまいます。特に初めて移住をする方にとっては田舎特有の風習が残る地域は絶対におススメできません。

移住初心者は地方都市から選ぼう

移住が初めてという方にはやはり地方都市がおススメです。地方都市であれば都会に比べると人も少ないですし、お店や公共交通機関も発達しているので比較的便利です。

マンションやアパートなどに住みながら、週末は近くの田舎地域に行ってみるという生活で徐々に田舎に体を慣らすことができます。コンビニが無い生活がいかに不便かという事を田舎に移住して身に染みて分かりました。

地方都市での生活は普段は都会の生活とほとんど変わりはありませんので、変化によるストレスはないでしょう。高知県が推奨している「二段階移住」もこの考えから成り立っています。移住を考えたらまずは地方都市から探してみるのがよいでしょう。

移住先での仕事は前もって決めておく

移住後に最も重要になってくるのが仕事です。いかに田舎と言えども現金収入は必須です。

そこで移住前に仕事を決めておくことが重要です。地方の仕事であれば移住先のハローワークや自治体に相談してみれば何かしらは仕事を見つけることが可能です。

また農業などの第1次産業に携わりたいのであれば農業学校などに通いながら補助金を受けることもできます。ただ農業だけで食べていくのには、それなりの時間がかかりますのでまずは仕事と兼業することをおススメします。

そして昨今では今やっている仕事をテレワークで移住後も引き続き行える企業が増えていっています。田舎でもネット環境が充実していることも多いので、テレワークを行う前提で移住前にワーケーションで訪れてみるのも、選択肢を広げる方法だと思います。

移住先のインフラやネット環境を調べておく

移住後に意外と困るのがライフラインとネット環境です。ライフラインでよくあるのが下水道が通っていないという場合です。下水道が無い場合は浄化槽が取りつけられており定期的な点検や汲み取りの費用が掛かってきます。

ネット環境でよくあるのが光ケーブルが導入されておらずネットが重いという場合です。テレワークなどを行う場合はネット環境が必須なので、事前に確認することをおススメします。また現在ではほとんどありませんが、携帯の電波が届かない場所というのも少しはありますので注意が必要です。

まとめ

まとめ

いかがだったでしょうか?移住を考える人にとっては、あまり聞きたい情報では無かったのかもしれません。
しかし移住後に後悔してまた元の生活に戻るとした場合、時間と費用が無駄に掛かってしまいます。移住前にできるかぎり情報収集と生活の準備をしておくべきでしょう。